夢セカイで廃墟を修復することで、少しずつ記憶を取り戻していくイオン。ここでは彼女が経験したエピソードの一部をご紹介します。
皇位継承の儀。それは、人々が新たな皇帝を見定めるために課せられる試練。
現政権を支配する組織『天文』の皇帝候補として皇位継承の儀に参加することになった皇女イオンは、
宮城での儀式を経て地上へと降り立つ。

しかし、地上に生きる人々は太陽から振り注ぐバーストに日々怯え、
シェルと呼ばれる巨大な屋根の下での生活を余儀なくされていた。
明日をも知れぬ民衆は皇女であるイオンに取り入ろうと彼女に近づくが、
その様子に怯えたイオンはその場から逃げ出してしまうのだった。

ただ一人、見知らぬ街を歩くイオン。着ていた服もボロボロになり、
なんとか人通りの少ない路地裏に辿り着くと力なく座り泣き出してしまう。

『帰りたい』

そう叫ぶ彼女の耳に、年端も行かない少年の声が響く。
それはこの荒んでしまった世界でイオンが初めて耳にする優しい想いがこもった声だった。
バーストにより、万寿沙羅は危険にさらされていた。大切な人を護りたいという想いは、イオンを大きく動かす。
想いの力である詩魔法を謳い、万寿沙羅を救おうとするイオン。その想いは「大切な人を護りたい」ただそれだけだった。
万寿沙羅を旅立ったイオンが辿り着いた街、夢ノ珠。
イオンはこの街で、活発なひとりの少女・ネイと出逢い、やがてこの街の不穏な話を耳にする。

この街は天文の民と地文の民が、街を二分して争っていること。
重力場が異常をきたしていることで、かなりの人が落下し、犠牲となっていること。
万寿沙羅を救ったイオンは、この街をも救ってくれるはず。
そう彼女は多くの人に期待されていたのだ。

そんななか、イオンは地文側の皇帝候補・カノイールの姿を見つけた。
天文の民と地文の民との争い。
そしてそれぞれの派閥のトップとも言えるイオンとカノン。
この夢ノ珠に、真の幸せを与えられるのは、果たしてどちらなのか……。
イオンのとりはからいで夢ノ珠に平穏が訪れると思われたが、事態は予期せぬ方向へ動き出す。
強大な詩魔法を謳い、カノンは夢ノ珠を救った。しかしその方法は、天文の民にとって許されないものでもあった。
夢ノ珠での出来事によって疲れてしまったイオンを癒そうと、
ネイが連れてきたのは「プラネタリー・メゾン」というコロンであった。

ネイは現在、このコロンで踊り子として生計をたてているのだという。
イオンはネイの踊りを見たいとねだり、何とか承諾を得ることに成功する。

イオンがこのコロンで見たものは、巨大なステージに何千人ものファン、
そしてそのなかで光り輝くネイの姿だった。

そんなネイの熱演を目にし、そしてカノンとの邂逅を経たイオンは、
このコロン最大のお祭りでステージに立つことを決意。

これは、彼女にとって皇女としての覚悟を示すための一大決心だった。
これまで出会い、力になってくれたたくさんの人たちのためにも、イオンは立ち上がる。
大勢の人たちの前で、ありったけの想いと覚悟を込めて謳う。これはイオンにとっても大きな意味をもつ経験となった。
プラネタリー・メゾンでのステージを終えたイオンとテレフンケン、
そしてネイは、Tz チューブカンパニーというコロンを訪れていた。

なぜ自分がここに招かれたのか。
横にいるネイはなぜ表情を曇らせているのか。

それが気がかりだった。
その後イオンたちは、ネプツールという男の案内で
ネプトロンタワーと呼ばれる建物の中枢、ネプトロンルームへと向かう。

なぜ自分がこの部屋に招かれたのか。
横にいるネイはなぜ表情を曇らせているのか。

その部屋で待っていたものは、
誰もが予想しえなかったことであった……。
普段と様子が違うイオン。それはネプツールの陰謀が生んだ結果だったはずだが……。
イオンをもとに戻すため、想いの力である詩魔法を謳うネイ。彼女にはまだ謎が多い。